JISPの活動 – ネパール

ネパール災害専門家教育プログラム


[ 2015年8月〜2016年10月 ]


2015年4月に発生したネパール地震発生を受けて、現地人による被災コミュニティへの心理社会的支援を普及するために、現地の国立大学トリブーバン大学トリチャンドラ・カレッジの心理・哲学学科と連携し、心理・医療・福祉専門家などを対象とした日本人専門家による心理社会的支援の研修を実施し、27人の次世代のリーダー・指導者を育成した。また、上記研修により習得したスキルを参加者が実際に活かすことができるように、数々の現地支援団体との連携のもとに、インターンシップ研修を実施し、さらに就労マッチングを実施した。

サプタリ郡における水衛生緊急支援


[ 2017年9月〜2018年1月 ]


2017年8月に発生した大洪水により甚大な被害が生じたネパール国サプタリ郡において、水衛生向上のための緊急支援として、300世帯(2,387人)への浄水器と衛生用品キットの配布を実施した。この支援により、例年と比較すると、水系感染症が予防・緩和された、健康状態を維持することができたなどの成果が確認された。また、妊婦管理カードや予防接種カード等の証明を取得していなかった女性受益者が、取得のためヘルスポストに赴き、基礎的な医療支援を受けられるようになった、妊婦や授乳中の受益者の女性の衛生意識が高まったなどの成果が見られた。

ネパールにおけるコミュニティ災害対応能力強化および社会的弱者のための災害後心理社会的支援事業

[ 2018年3月〜2019年3月 ]

2015年4月のネパール地震発生後に、地域住民の災害リスクへの意識の低さやコミュニティ支援者の災害対応の知識不足が被害拡大につながったこと、脆弱性の高い社会的弱者(子ども、女性、障がい者、高齢者)が災害により一段と被害を受けやすいという課題が浮き彫りになった。その対応として、カトマンズ市における災害対応支援に関わる関係者(市公衆衛生部、防災部、社会的弱者支援団体、看護団体、大学院生)を対象に、災害対応能力向上研修やネットワーク会議を実施した。また、市内の公共施設に「防災リーダーキット」を配布し、前述の研修で育成された人材とカトマンズ市が中心となり、その使用法を普及させ、コミュニティの防災体制を向上させることが出来た。

シンドゥパルチョク郡における小学校支援


[ 2018年3月〜2019年12月 ]


2015年のネパール地震により甚大な被害を受けながら、山間部にあるために支援が届きづらかったシンドゥパルチョク郡ラタンコット村において、村内の小学校の施設改修を行い、小学校に併設されていたECD(乳幼児期の子どもの発達を促すための施設)教室に、子どもが安全に遊んだり学んだりするための設備や備品を提供するなど、子どもの学習環境向上のための支援を実施した。

ガンダルバ・コミュニティへの緊急食糧支援


[ 2020年10月〜12月 ]


新型コロナ感染症防止対策として厳格に実施されたロックダウンにより、経済が大きな打撃を受け、貧困が加速したネパールにおいて、ネパールでの活動を通じて協力関係を構築してきたガンダルバ(村々を渡り歩き伝統的弓奏楽器サランギ演奏をとして情報伝達を行うこと生業としてきた職業カースト)のミュージシャン達との遠隔協力のもと、食糧難に陥っているガンダルバ・コミュニティ(カトマンズ、ポカラ、ボジュプール)の266世帯への緊急食糧支援を実施した。

カトマンズ市における行政と市民協働による災害対応能力強化


[ 2020年3月〜実施中 ]


カトマンズ市において、日本の経験や知見を活かした市民協働の防災活動が出来るモデル体制づくりを行うための事業を実施している。災害発生時に住民の避難誘導や応急処置を行えるよう救助用品等を配備し、カトマンズ市災害対応部、3区のモデル区の防災委員会、防災ボランティア、ヘルスポストや学校職員向けに、災害対応にかかわる能力強化研修を実施した。その後、受講者の一部をテクニカル・アドバイザーとして育成し、これらの人材を中心とした、防災ボランティアを育成やコミュニティ意識啓発活動などを実施している。

サプタリ郡における脆弱性の高い世帯への緊急保健支援


[ 2021年6月〜9月 ]


ネパール国サプタリ郡サプタコシ市において、新型コロナウィルスの影響により、失業や収入減などの影響を受けた妊婦または授乳中の母親がいる家庭(400世帯/2400人)を対象に、補完的食料と衛生用品の配布を実施した。また、すべての受益世帯に女性村落保健ボランティアを派遣し、衛生管理や栄養についての意識啓発を行い、健康向上に取り組んだ。

カトマンズ市における脆弱性の高い世帯への緊急食料支援


[ 2021年6月〜9月 ]


ネパール国カトマンズ市において、新型コロナウィルスの影響により生計に深刻な打撃を受けていた貧困層(266世帯)に対して、食料および衛生用品などのニーズの高い物資の配布を実施した。また、受益コミュニティの子どもが通学するシュレー・クレシュワール中等学校で、子どもと職員の心のケアを兼ねた、地元の伝統楽器の人気若手ミュージシャンによるコンサートを開催した。400人以上の子ども、保護者、学校職員、近隣住民などが、歌や踊りを楽しんだ。